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2006年4月25日 (火)

つき遁走の真実。いよいよ語られる。

かどうか、力尽きるまでやってみようと思う。

いまから、6年前、つきはやってきた。
その瞬間から、もう、ドタバタは始まっていた。
しかし、今は、それは置いといて、
その年の暮れ、そう、年賀状用の写真を撮ろうと思い立ったその日から、
話をする。

その日、犬舎の柵を改築する為に、職人さんが入っていた。
変形した土地に合わせて、特注した高さ150㎝の柵。
それもこれも、つきが乗り越えて逃げることが出来ないように作り直すためだ。
だいちは、90㎝の日曜大工の柵でも、飛び越えたりしない。
たとえ出来ても、しない。

職人さんたちが、仕事を終える前に帰ってこれるように、
早めに河原に行って、何故、その日にしようしたのか?
私は、年賀状用に写真を数枚撮った。

そして、つきが捕まらなくなった。
珍しいことではない。
その前にも、その後にも、何百回となく、捕まらないつきを、あらゆる手を使って、私は連れ帰ってきた。
自慢ではない。唯一の正しい方法だとも思っていない。

ヒトを恐れることが、骨身にしみているコ、自分ひとりでも生きていけるという自信を持ってるコ。
リードで生涯拘束したら、本気で逃げることを望んで、2度と帰ってこないと思った。

その日は、私は焦っていた。
家族にすれば、犬舎の改修は私のわがままだ。
任せっぱなしにして、イヌの散歩から戻ってこない嫁は、まずい立場だった。

試しに、車を動かして、つきを脅かしてみようとした。
追いかけてくるが、車を止めて降りると、逃げる。
そのうち、追いかけてもこなくなった。
こまった。置いてはいけない。

12月の夕暮れは、すぐ真っ暗になった。
追ったり追われたり、すかしたり騙したりしているうちに、
河原から離れ、高速道路の側道に移っていた。
なるべく、ヒトや車に会わないように、選んだつもりだったが、
田舎の道でも、たまには車が通る。
おまけに、真っ暗。

これ以上、うちの車を追いかけさせること自体が危険だ。
もう、職人のことなんて考えてなかった。
捕まえられないのなら、つきの安全が第一だ。

歯を食いしばって、私は車を急発進した。
すぐに後悔したが、戻ってもどうすることもできない。
必ず探し出すから、「無事でいて」とだけ思った。

翌日は仕事だった。
朝晩、車で捜した。
絶対無事だとは信じていた。車の怖さも知ってる。生き残るすべを知っている。
ただ、その場所から家までは、直線でも約10㎞。
幹線道路も横切ってる。
自力で帰ろうするかどうか。予測がつかなかった。

翌々日は、休み。
車ではダメだ。だいちと二人で、自転車を転がして捜した。
だいちがいなければ、見つけても連れ帰ることは無理だ。
道半ばで、だいちのパットが擦り切れた。
帰る道々、ほんとに申し訳なかった。
だいちは、黙々と歩いていた。

そのころ、ちょうど中古のPCでネットを始めたばかりだった。
やるせない気持ちのまま、誰に相談することも出来ずに、私は、JBCNというメーリングリストに入り、初投稿した。
「つきが逃げたんです。」って。
その時は、あんな風に真剣に励まし助言してくれる人たちが、世の中にいるってことにびっくりした。
なんか、暖かかった。
つきは、ヒトには捕まらない。やっぱり、私が見つけよう。そうも思った。

次の日、もう何度も行き来した、別れた場所の側道を車で通った。
つきが田んぼ道を歩いていた。

歩いてた・・・・・・・・。別れた場所で。

イヌを連れた男の人の後をついていく様な風だったが、ふと立ち止まって、後戻りして、また、歩み去ろうとしているようだった。

車から飛び降りて、
「つっちゃんっ!」と呼んだ。

わぁぉぉぉんんんわぁぁぁんんおぉぉぉんん~~!!!!!

つきが泣いた。私に飛び込んできた。
私も泣いた。
車に乗せてからも、つきはお~~~んお~~~~ん泣いていた。

思い出した。
何故、あの日、写真を撮らなくてはいけなかったか。
当時、葉書の写真プリントは写真屋に持込だった。
あわただしい年の瀬、期限ぎりぎりだったので、
つきが見つからないまま、私は例の写真で賀状を頼んだ。
「もうこの子は、うちにはいません」って但し書きを添えなくちゃならないかもしれないと思いながら。


「それからは、つっちゃん、逃げなくなった?」
ある友達が聞いた。
とーんでもございません。

でも、つきに教えてもらえることはたくさんある。
つきがつきのままでいてくれることが、私の贅沢。


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「呼んだ?」

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